さんの書き文字。
「mitsou」さんと書いて、「ミツ」さんと読みます。mitsouさんという作家名は、バルテュスという画家の書いた絵本からとったのだそうです。実はまだ、ご本人にお会いしたことはないのです。雑誌や何かでお名前を目にするたびに気にはなっていたのですが、ある日『みつのあはれ』というご自身のホームページを持たれていることに気づきました。
感動の種類には、突然の落雷に見舞われた時のように(見舞われたことはないけど)一度にずきんとくる時と、なんだか次の日も気になって、その次の日も見返してみたくなったりしているうちに、じわじわと効いてくるという場合の2通りがあると思うのですが、今回はこの後者の方だったのです。
ホームページには、mitsouさんの感覚をピンと動かしたものや、少女時代から温めてきたことがスクラップブックのように書きためられています。自分よりちょうどひと回りお若いmitsouさんの選ばれる本や映画や音楽のことは、本当はあまりわからないのだけれど、それでも、まったくぶれることのない美意識を十分に感じることができます。
と同時に、それ以上に魅力を感じてしまったのが、そのスクラップブックの各項のタイトルに使われている手書きの文字だったのです。あちらこちらに溢れている少々わざとらしいヘタウマな「書」とは違います。可愛すぎず、上手すぎず(失礼!)、ちょうど良い加減で書かれた文字は、力は抜けているのだけれど、芯の強さが見え隠れして‥‥。うまく説明できませんけど、どうしても何か書いてもらいたいと勝手に盛り上がってしまったのです。
それから、ただただ夢中でお願いのメールをしてしまったことが、今さら恥ずかしくも思うのですが、こうして出来上がった紙ラベルを並べてみると、やっぱり嬉しさが込み上げてきてしまいます。
でも、mitsouさんには、「私、棚の上とかにちょこちょこ可愛い雑貨とかを並べる趣味がだんだん気持ち悪くなりつつあります。」なんて、ぴしゃりと釘を刺されてしまうかもしれません。