16本骨 雨傘(紳士) 販売終了
商品コード:51072-01

商品仕様: 親骨60cm スチール、生地 ポリエステル、手元 ニレ
商品説明: 前原光榮商店さんの雨傘

前原光榮商店さんは、東京の下町で傘作りを半世紀以上に渡って続けておられる老舗です。3代目である前原慎史さんは、父親の急逝により、ロサンゼルスの大学を卒業するとすぐに店を継ぐことになりました。弱冠23歳の時でした。傘作りは、生地・骨・柄・手元といった数々のパーツを作る職人さんたちとの共同作業になります。父の裕司さんは、それを「オーケストラのようなもの」とよく話してくれていたのだそうです。小さい頃から絵が好きで、父の仕事を見ながら育っていた慎史さんには、大学の夏休みの2ヶ月間、夜中になるまで仕事を仕込まれた経験もありました。いまやオーケストラの指揮者として、企画やデザインに始まり、多くの熟練職人さんたちの仕事を統括する仕事を、しっかりと受け継いでおられます。細部まで気を配って作られる傘は、皇室の方々にも愛用されているのです。たとえば、代表作である16本骨は、広げると真円に近いかたちなので雨を防ぐ範囲が広く、閉じれば布のひだが狭いので濡れた傘が服にくっつきにくい。傘の開け閉めの具合は中棒の精度に左右されるので、ステッキ職人に依頼して真っすぐを追求しているとか、生地に「谷落ち」と呼ばれるたるみがないため、大粒の雨をはじく時の音が太鼓のように心地よく響くとか、その工夫と心遣いに、いちいち感心してしまうのです。
前原光榮商店さんの倉敷意匠オリジナル傘は、手元に竹節を模して轆轤挽きされたニレ材を使用しました。実は、19世紀のアメリカ製ウインザーチェアの脚のデザインをヒントに作ってもらったのです。アメリカのウインザーは、本家イギリスのものより細身で軽やかなフォルムが特徴です。竹モチーフのデザインは、当時の欧米でのオリエンタルブームを象徴するものなのだそうです。16本骨は、初めて持った時には少し重さを感じるかもしれません。ところが、使ってみればすぐに、それが手に馴染むちょうどの重みであるとわかるでしょう。手元のデザインの軽みも、その感じを助けてくれるはずです。傘内側の天紙とロクロ巻き部分だけ生地色を変えたのは、雨降りの日にも楽しみをひとつと思ってちょっと遊んでみました。
小売価格: ¥27,500
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前原慎史
1973年東京生まれ。皇室御用達の傘ブランド・前原光榮商店3代目。創業者の祖父・光榮氏と東京都優秀技能賞都知事賞受賞の父・裕司氏の傘創りに対する情熱と技を継承する。