倉敷意匠のオリジナルタンブラーを木村硝子店さんに作っていただくことになったのです。生地の製作は『うすはりガラス』で一躍人気となった『松徳硝子』さん、切子は『木勝』の切子職人さんでもある伝統工芸士・根本達也さんにお願いしてもらいました。松徳硝子さんは、40年以上にも渡って、木村硝子店さんの300をも越えるアイテムを生産する片腕とも呼べる工場です。その魅力は、1ミリというガラスの薄さ。創業当時に電球を吹いていたという職人技が生かされたグラスは、美しさはもちろん、唇をつけた時の繊細な感触に誰もが息を呑みます。根本さんの工房へは、三枝さんに同行してもらい、実際のお仕事の様子を見せていただくことが出来ました。「顔は恐いけど、腕は保証しますから。」と聞いてはいましたが、ごつい指先から繊細きわまりないグラスが出来上がっていく様子を目の当たりにすると、そのギャップの大きさに驚きが隠せません。
|
上)三枝静代
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科にて陶芸を専攻。卒業後、木村硝子店に入社。
下)根本達也
1963年 東京生まれ。親方であり父である根本幸雄氏は、切子界の代表作家。親方を常に尊敬しつつ、たゆまぬ研究心でガラスの道を歩む姿が美しい。
2004年 江東区優秀技能者賞認定。2006年 経済産業大臣指定 伝統工芸士認定。
|