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ハーフリネンのクロス



東欧バルト海沿岸に位置するエストニア・ラトビア・リトアニアの3国は、良質のリネンの産地として有名です。その中でも最もリネン生産が盛んなと言われるリトアニアの工場でオリジナルクロスを作ってもらいました。
リネンの使いやすさやさわりごこちの良さについては、多くの本に紹介されて十分皆さんの知るところになりました。ハリがあって肌触りも固い新品のリネンが、毎日使って洗濯を繰り返すうちに手になじんで柔らかくなってくるという過程は、なんとも嬉しいものだと思います。それでも本当に肌触りが良いと実感できるまでにはけっこう時間がかかります。 
今回のオリジナルクロスは、コットン糸とリネン糸とを半分ずつで織ったハーフリネン地にしました。好みは分かれるでしょうが、コットンの柔らかさとリネンの丈夫で早く乾くという面とを合わせ持つハーフリネンですから、始めから使いやすいということは確かです。ソフトな肌触りは、食器を拭くだけでなく、ハンドタオルとしても使っていただけると思います。





運針と玉結びのリネン



リネン(亜麻)が、北欧・ロシアなど寒い地方で栽培されるのに対し、ラミー(苧麻)は、アジアなど熱い地方で採れる麻です。ヨーロッパで古くから衣類やベッドリネンに使われているのは亜麻だけに限られていますが、日本では、一括して「麻」と呼んでしまいます。麻には他にもジュート(黄麻)などたくさんの種類があるのですが、上等な麻であるリネン以外は、みんなざらざらとしてごわつきのあるものばかりです。それでも、ラミーなどは水にたいへん強く、古くから船舶用の綱や漁網に使われました。写真の四角い鍋つかみは、そのラミーとリネンとを半分ずつ合わせて、日本で織られた生地を使って作りました。
このシリーズの他のものはリネン100%の生地ですが、やはり日本で織られたものです。こしのあるタイプのリネンで、前ページのリトアニア産のハーフリネンに比べるとずいぶんざっくりとした印象です。
時間をかけてちくちくと刺していった運針の縫い目は、きちんと揃っていないくらいの方がかえって可愛らしいのです。素朴なふちかがりも、玉結びも、なんだかとても好きで、使うのがちょっともったいないくらいです。