リネン(亜麻)が、北欧・ロシアなど寒い地方で栽培されるのに対し、ラミー(苧麻)は、アジアなど熱い地方で採れる麻です。ヨーロッパで古くから衣類やベッドリネンに使われているのは亜麻だけに限られていますが、日本では、一括して「麻」と呼んでしまいます。麻には他にもジュート(黄麻)などたくさんの種類があるのですが、上等な麻であるリネン以外は、みんなざらざらとしてごわつきのあるものばかりです。それでも、ラミーなどは水にたいへん強く、古くから船舶用の綱や漁網に使われました。写真の四角い鍋つかみは、そのラミーとリネンとを半分ずつ合わせて、日本で織られた生地を使って作りました。
このシリーズの他のものはリネン100%の生地ですが、やはり日本で織られたものです。こしのあるタイプのリネンで、前ページのリトアニア産のハーフリネンに比べるとずいぶんざっくりとした印象です。
時間をかけてちくちくと刺していった運針の縫い目は、きちんと揃っていないくらいの方がかえって可愛らしいのです。素朴なふちかがりも、玉結びも、なんだかとても好きで、使うのがちょっともったいないくらいです。